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ビーイングホールディングスの事業概要と将来性は?

ビーイングホールディングスの事業概要と将来性は?

今回紹介する株式会社ビーイングホールディングは、2020年12月15日に東証二部にて上場予定の企業です。

例年12月末にかけてはIPOラッシュになる傾向がありますが、今年はこのビーイングホールディングスが12月第一号IPO案件の一つとなる予定です。

株式会社ビーイングホールディングスは物流に関するコンサルティングサービスと実際の運送を併せて行う総合物流サービスを提供する企業です。

今回は株式会社ビーイングホールディングスの事業概要と将来性を解説します!

 

ビーイングホールディングスってどんな会社?

ビーイングホールディングスは生活物資を中心とした総合物流輸送を行う企業です。

「総合物流輸送」というのは単なる輸送のみに留まらず、物資の保管・包装・輸送に関わるシステムなどを含めた総合的なコンサルティングを行うことを意味しています。

ITの進化によって情報の行き来が高速化する現代社会では、物資の輸送についても徹底的な効率化が求められます。

従って、ビーイングホールディングスのように、最適な輸送方法のコンサルティングを行ってくれる企業のニーズは高まっています。

ビーイングホールディングスの事業は大きく二つにわかれております。

物流事業
旅客事業

続いてはそれぞれの事業内容を紹介していきます。

物流事業

一つ目の「物流事業」は顧客の物資の運送に対するコンサルティングをして効率化をしたうえで、実際に顧客の物流を総合的に担う事業です。

単に輸送を行うだけではなく、物資の特徴・サプライチェーン・物流量などを分析し、運送・保管方法・在庫管理なども含めた顧客にとって最適な物流戦略を提案してくれます。

具体的には以下のような効率化手法を用いて顧客の物資運送を最適化してくれます。

3PL:物流センターの輸送・保管・加工・管理システム構築などを一貫対応
見える物流:物流センターの在庫・入出庫時刻・配送車両位置などを可視化
運ばない・触れない物流:拠点を集約することで無駄な輸送を避ける
SCM業務:複数の企業にまたがるサプライチェーン間の物流をシステム管理

そして顧客の新たな物流手法が確立したのちは、ビーイングホールディングスが実際の運送や物流センターでの保管、管理などを受け持ちます。

顧客はビーイングホールディングスに任せておけば、荷物を運んでもらえるだけでなく、輸送にかかる負担が軽減されるというわけです!

 

旅客事業

続いて二つ目の旅客事業は、人を輸送するサービスで、具体的には貸切バスやハイヤー、タクシーなどの運行を行なっております。

こちらは、ビーイングホールディングスが本社を構える金沢を中心に展開している事業です。

具体的には、以下のようなサービスを行なっております。

貸切バス・ハイヤー・タクシーでの輸送サービス
観光プランの作成代行

単なる輸送だけでなく、観光プランを作成するところから対応してくれるのが、観光地金沢に本拠地を構えるビーイングホールディングスの旅客事業の特徴であり強みといえます!

もちろん、貸切バス・ハイヤー・タクシーでは作成した観光プランに従って観光地を回ってもらうこともできます。

参照
https://being-group.jp/business/

ビーイングホールディングスの将来性は?

さて、最後に「ビーイングホールディングス」の将来性について紹介します。

IM編集部では今回、ビーイングホールディングスの将来性を運送業のビジネス環境・事業特性・個社状況および経営状況からみてみました!

運送業のビジネス環境:競合は多いが市場拡大がサポート材料

運送業のビジネス環境の特徴としてまず言えるのが競合他社の多さです。

大手だけでみても、1兆円台の売上企業が4社おり競争が激しくなっております。

運送会社の売上高ランキング(2018年度)

順位 会社名 売上高(億円)
1位 日本通運 21,385
2位 日本郵政 20,698
3位 ヤマトHD 16,253
4位 SGホールディングス 11,180
5位 日立物流  7,088

引用
https://gyokai-search.com/4-riku-uriage.htm

中小企業を含めると社数も非常に多く、全国に6万社ほどおります。

競争の激しさは価格競争を促進してしまう、顧客を他社にとられてしまうリスクが高まるため、ビーイングホールディングスにとってはネガティブ材料と言えます

一方運送業は、近年右肩上がりで市場規模が拡大しており、2018年から2019年にかけては売上高ベースで+4.5%も市場が拡大しております。

これには、ネット通販などにより物資の輸送が活発化していることが背景にあります。

新型コロナウイルスの感染拡大等によりリモートワークやEコマースがさらに活発化することで、今後も運送業が取り扱う荷物の量は今後も増えると予想されます。

競合は激しいものの、運送業市場それ自体の成長が見込めることからは、ビジネス環境は良好と言えます。

参照
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000111.html
https://gyokai-search.com/3-riku.htm

事業特性:物流コンサルティングにおける差別化が今後の課題

つづいてよりミクロな事業特性についてみていきたいと思います。

ビーイングホールディングスは運送業の中でも物流のコンサルティングを通じた総合的な物流サービスが特徴となっております。

物流業界の人手不足はここ数年にわたり、市場拡大の中で深刻化しております。

この影響は企業にとってコスト高として跳ね返ってくることから、物流の効率化ニーズ自体は高いと言えます。

一方で懸念材料となるのは競合の多さで、単なる運送会社が6万社もいる中、似たような物流のコンサルティング事業を行なっている企業も相当な数となることは想像に難くありません。

特に近年はIT、IoTを活用した物流の効率化が潮流となっており、競合はこぞってITを活用した効率化サービスに取り組んでいます。

ビーイングホールディングスも、企業ホームページでは「システムの活用」「見える化」といったITを活用した効率化のフレーバーは見える一方、全体としては物流拠点や保管方法の効率化などハード面での対策が目立ちます。

ビーイングホールディングスの「運ばない物流・触れない物流」イメージ(参照:https://being-group.jp/logistics/service/#carried

ITやIoTなど新技術を活用した効率化をどこまで提案できるかが、将来性を占うカギとなりそうです。

この点については、IM編集部でも引き続き注意深くチェックしていこうと思います!

個社状況および経営状況:設立30年を超え事業基盤は安定

最後にビーイングホールディングスの個社状況を確認します!

ビーイングホールディングスはIPO企業としては歴史が長く、金沢では前身企業も含めると34年間継続してビジネスを行っています。

これに対して「目新しさがない」という意見もみられますが、IM編集部としてはむしろ、ビジネス基盤が整っていると期待されることからポジティブであると考えております。

業績も順調な見通しで、2020年12月期の決算は、営業収益ベースで前年比12%強の増収を見込んでおります。

新型コロナウイルスの逆風環境があった中でのこの業績見通しは、安定したビジネス基盤を確立している事の証しであると考えられます。

業績の参照
https://being-group.jp/renew/wp-content/uploads/2020/11/20201110_2.pdf

まとめ

ビーイングホールディングスは物流関連のコンサルティングを含む総合物流サービスを提供する企業です。

運送業としても、物流コンサルティングサービスとしても競合が激しい点は懸念材料です。

しかしながら、運送業自体の市場成長やビーイングホールディングス自体のビジネス基盤の安定性の高さは安心材料といえます。

IM編集部では引き続き、ビーイングホールディングスの動向に注目していきます!